キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜なぎさ編〜」

by 鳥丸 (@torimaru326)
2019/12/23

この記事はキミコエ Advent Calendar 2019、12/23(月)分の記事です。


みなさんこんにちは。コトダマ部員の鳥丸です。


最後の「それぞれのコトダマ」は主人公のなぎさ編。なぎさは出ないけどなぎさ編。なぎさのコトダマについてのお話なので。
初回のかえで編もそんな感じでしたので、よければ過去回もあわせてご覧いただけますと幸いです。

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜かえで編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜紫音編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜乙葉編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜夕編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜雫編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜あやめ編〜」


==<はじめに>========
◆映画本編を観た前提の内容です。
◆二次創作ですので、本来の設定やストーリーとは一切関わりません。
◆賛否ふくめ、Twitterなどで感想をいただけると大変喜びます。
 その際は #コトダマ部 をお忘れなく!
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それでは始まります〜↓↓↓↓↓↓




「そういえば紫音さんはみんなとどうやって出会ったんですの?」

「えっと、少しややこしいんだけど。なぎさが勝手にうちのラジオを使っちゃって、私がそれを聴いて」

「どうして無断で使ってしまうの……。で、かけつけたらってこと?」

「あいや、その時はまだ。ただ、私もラジオやってみようってなって。そしたら今度はなぎさがそれを聴いてて、向こうからかけつけてきたの」

「なんか立場的には逆な気がしますわね。でも、お互いラジオでどんなことを言ってたの?」

「私はお母さんに、目を覚ましてって。なぎさは……その、言っていいのかな」

「?」

「夕さんとかえでさんのこと。ふたりに、仲良くなってほしいって。ものすごく真剣そうだったよ」

「……そう。なぎさがそんなことを。なんというか、なぎさらしいわね」

「うん。雫さんも同じこと言ってたし、今ならその感覚、わかる」

「でも、そっか。それを聞いてあなたもラジオをやろうって思ったのね。ふふっ」

「やっぱり変だったかな、私」

「いいえ、そうじゃないの。ただ……紫音さんはその時からコトダマが見えてたんだろうなって」

「え?」

「届くかもしれないって、感化されたんでしょう? なぎさのやったラジオに意味があるんだ、届くんだって、胸の中に希望が灯ったのではなくて?」

「そう、なのかな」

「どちらにせよこれだけは確かに言えますわ。……ありがとう紫音さん。その時のなぎさの願いが巡り巡って、その結果、今こうしているんですから」

「あは、かえでさんの寝顔可愛い。……そっか。あの、夕さん?」

「うん。なにかしら?」

「その、変な言い方でごめんなさいだけど……かえでさんと仲が悪くてありがとう。私ひとりじゃ、こうして誰かの寝顔を見て笑うなんて一生できなかったかもしれない。ふたりの仲が悪くて、なぎさがどうにかしたくって……ひとつでもピースが欠けてたらこんな今はなかったから」

「私にとってはあなたもピースのひとつなんだから、お互い様ね。感謝してますわ。なぎさの声を受け取ってくれて」

「うん! ……それにしても、そうやって膝枕してるの見ると、ホントふたりってお似合いだよね?」

「えぇッ、ちょっと紫音さんそれはどういう意味でして⁉︎」

「あはは、そのまんまの意味だよっ!」




ということで、「それぞれのコトダマ」全7回でした。
言ってしまえば、キミコエを観て感じた個人的な解釈を"後日談の一幕"という形にしただけなのですが……。
ただ、これをきっかけにもう一度本編を観たくなったり、何気ないセリフに新しい価値を感じるようになっていただけてたら幸いです。