キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜夕編〜」

by 鳥丸 (@torimaru326)
2019/12/12

この記事はキミコエ Advent Calendar 2019、12/12(木)分の記事です。


みなさんこんにちは。コトダマ部員の鳥丸です。

今回の内容、自分が過去に書いたSSと繋がるところがあります。
ちょっと長めですが、事前にお読みいただけるとより楽しめる……かもしれません。

●映画キミコエ創作ノベル〜だいじなきみにいってほしい〜


はてさて、今回の「それぞれのコトダマ」は夕編。
全7編中の四つ目になりますので、過去回もあわせてご覧いただけますと幸いです。

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜かえで編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜紫音編〜」

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜乙葉編〜」


==<はじめに>========
◆映画本編を観た前提の内容です。
◆二次創作ですので、本来の設定やストーリーとは一切関わりません。
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それでは始まります〜↓↓↓↓↓↓




「かえで! あなた……」

「お。おつかれ夕。新人戦楽しかったぜ! でも次は負けねーからな。残り5点、きっちり追いついて追い越してやる!」

「……いいえ、負けよ。私のね」

「は? お前なに言って」

「夏から点差を詰められたの! 基礎的な実力の高さは先輩たちのおかげよ。でも私たち主導の新体制になって、差を縮められた。これが主将である私の負けでなくてなんだというの?」

「夕……。いや違う。お前は一斉退部のトラブル抱えてただろ。ハンデがある。そのうえで、最終的にチームを勝たせられなかった俺の負けだ」

「でも、あれだって元はといえば私がわ……」

「悪くない。いつだって、夕が悪かったことなんて一度もないんだ。全部、俺みたいなやつらの僻みなんだよ」

「かえで……。そういえば、退部届のことってうちの誰から聞いたんですの?」

「ん? ああ、あそこのツインテたちからだよ。へっ、ちゃっかり部に戻ってるじゃねえか」

「だから試合前に妙な顔で見合ってたんですのね。……あなたが、あの子たちを引き止めてくれたの?」

「引き止めたというか、ちょっと話をしただけだけど……べ、別に変なことは言ってねえからな! アイツらが夕のこと知りもしないでテキトー言うから、本当の夕を教えてやっただけなんだからな!」

「本当の、私?」

「まあ、アレだ。感謝しとけよ? 夕が辛いってこと、どういうかたちであれ届けてくれたのはアイツらなんだから」

「……ばかねかえで。何もしなきゃ、廃部からの不戦勝で日ノ坂の勝ちだったのに」

「バカはお前だバーカ。鶴女にじゃなく、夕に勝たなきゃ意味ねえだろ。俺も、お前も」

「もう、ほんとにあなたってば……どうしようもないくらい、負けずむぎゅッ」

「うっせ。いいからそれで拭けよ。そんな汗まみれで……みっともない顔、見せてんじゃねーぞっ」




え、夕の登場回数多くないかって? だって好きなんだもん。
あと、本編で出番が少なかった分、描いてあげたい。

次回の「それぞれのコトダマ」は12/15(日)、今度は雫編になります。
お楽しみに〜